相続の手続きを進めるときに、必ず必要になるのが、銀行や信用金庫が発行する「残高証明書」です。被相続人がお亡くなりになった日を基準に、残高証明書を発行してもらいます。
残高証明書を発行してもらうには銀行に行ったり、郵送で書類を送ったりする手間がかかる上、手数料も発生します。それでもわざわざ残高証明書を発行してもらう必要はあるのでしょうか。

通帳に記載された金額では駄目なの?



基本的には残高証明書を取得するようにしましょう!
取得したほうがいい理由について説明します。
理由①:相続税の申告に必要になるから
被相続人の財産が、相続税の基礎控除額を超える場合、相続税が発生する可能性があります。
相続税の基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算するので、法定相続人の数によって基礎控除額は変動します。たとえば相続人が配偶者と子供1人だった場合、2人の相続人なので4200万円までは相続税がかからないことになります。
もし相続税がかかる場合は、相続税の申告の際に、残高証明書を添付するのが一般的です。例えば「数百円しか預金していない」場合等は、通帳のコピーの添付等で対応できる場合もありますが、余計な疑念を生み出さないためにも、残高証明書を取得し添付したほうが良さそうです。



相続税がかからない場合は、残高証明書は不要なの?



もし相続税がかからない場合も、残高証明書の取得がオススメです
理由②:相続財産額を正確に把握したいから
相続財産の計算は、被相続人がお亡くなりになった日を基準に行います。通常、預金口座からはクレジットカードや水道光熱費の引き落としがされていたり、利子が付くなど、口座金額は日々変動しています。
被相続人がお亡くなりになったその日に通帳記帳をしていない限り、正確な相続財産額を把握することは出来ませんし、すべての銀行口座・証券口座などの記帳を同日に行うことも現実的ではありません。
相続財産額の正確な把握のためにも、残高証明書を発行してもらうようにしましょう。



相続財産を正確に把握するメリットってなんだろう?



遺産分割協議の話し合いで、お互いの信頼を高めることが出来ます!
理由③:遺産分割協議をスムーズに進められるから
もし遺言が残っておらず、相続人が2人以上いた場合、遺産を相続人間でどのように分けるかを、相続人同士で話し合う必要があります。(その話し合いを遺産分割協議と呼びます)
遺産分割協議で対象となる遺産は、相続開始日(被相続人がお亡くなりになった日)を基準に金額を算定するため、その日の残高証明書を取得しておくと、話し合いをスムーズに行うことができるのです。
また、残高証明書は金融機関が発行する書類ですので、記載内容はもちろん正確です。相続人のひとりがまとめたメモ帳等では、不正を疑われる場合もあり、信用度がどうしても低くなってしまいます。相続財産の一覧表を作る際は、残高証明書を証拠書類として一覧表に添付しておくと良いでしょう。



わかりました。さっそく残高証明書を集めてみます。



はい。もし残高証明書の取得方法にお悩みであれば、この記事を読んでみてくださいね♪

